春の乗込み、巨チヌを狙って一人旅!
第 10回目 H15.4/7〜9
 

 さあ、やっと行けるぞ対馬!5ヶ月ぶりだ。早いものでもう10回目を数える。
日程はいつもと同様、月曜日の早朝に出発。対馬に着き、昼から竿出して18:30までの半日。火・水曜日の2日は8時ちょっと前から18:30までの全日程2日半 。それも1人、思いっきり竿が振れる・・・ウレピー・・\(^o^)/
4月7日 朝7時頃 名古屋空港にて・・。
1. 2005年2月で名古屋空港が他所へ移転になるらしい。困るナ〜・・一番アクセスがいいのにナー。
2. やたら柄付きのマスクをかけた人が居る。これが今流行のSARS対策か?
横道でした。


 さあ対馬に着きました。昼飯は時間がもったいないからヌキ。 師井船長のお勧めで「犬ヶ首」の離れに乗る。ヤリーこのポイントは昨年4月、半日で中型チヌを5枚あげているポイントだ。潮もこれから下げに入る。もう、もらった気で仕掛けを作る タックルは、乗っ込みチヌの55cmオーバー狙いなので少々強め。
ロット:ガマカツ インテッサーGV 1.2-50
リール:ダイワ 2500LBCD
道糸:2〜3号 ハリス:タフロンZR 2号
浮き:自作立浮きor円錐2段仕掛け
ハリ:グラン3〜5号(チヌ用)

 さあ意気揚揚とコマセして第1投!いいね!いいね!天気はいいし、なんたって対馬。いつ大物が来てもおかしくない。まあ初日だし今日ボウズでも後2日あるしと、余裕もある。しかし丸山君手は抜かない。今日55cmオーバーを釣っておくと、後の2日気が楽になる。と、余計なことを考えながら・・・釣していると時間の経つのが早い。そうこうしているうちに、14:15分左手に流れていた立ち浮きが沈む。やっと来たか黒鯛・・オッ!何だ!!リールから糸がドンドンいやギャーギャーと出ている。ハット我に戻り、そうか今日はLBCD(レバーブレーキのドラッグ付)を使用しているんだ。今までこんなに糸が一気に出た事はない。おかしいぞ・・ドラッグをやり取りしながらまだきつくする。しかし凄い勢いで、沖へ、底へ突っ込んで止まらない。こ・こ、これは黒鯛ならば優に60cmオーバーだ!しかし、引きがおそろしく強い・・・。うまい事に自分の正面に来た。しかし、20m位沖の底で巨魚がゆっくり首を振っている。これは勝負かけなければと、レバーを思いっきり握り、ドラッグは手で被せて糸を出さない様に引き寄せ入った。「初日早々これは自己記録を悠々オーバーだぜ」などと脳裏をかすめる。まてまてと、自分を落ち着かせ3〜5m寄せた所で、大事件がおきた・・・何、何とバレタ!クソー!クソー!!なんで、何で!うそだろ。ラインを手繰り寄せると、ハリスが鈎上できれいに切れている。歯で切られたな・・・あ〜あ、デカカッタ。その後10分位放心状態。気を取り直して、またかければいいと自分に言い聞かせ、18:30分の納竿まで。巨チヌからの応答は無かった。
「釣研丸 」に帰って話しをすると、中村親方、漁師の水田さん「そりゃ真鯛だョ。それも80cm近いかも知れんな。対馬にゃごろごろしとるけん」師井船長いわく「そう言う時には、糸出さにゃいけんよ。相手がデカイけん、勝負が早すぎるけん」ばらして落ち込んでいる自分に、追い討ちが来た・・・。だって・・あんなデカイのかけた事無いんだもん・・・。さすが対馬いい実践勉強させてくれる。明日に期待・・早く寝よッと。


2日目 4月8日(火)

 今日は、私の他に2名の磯釣師。
1人は能登半島から来たと言う赤地さん。格好から見てカナリやるなと思い話し込む。すると、対馬は初めての釣行で、何とネットで私のホームページを見て参考にしたと言う。世の中狭いものだ。今日の14:00で磯上がりして帰ると言う。「まだ40cm位を数枚で、対馬サイズを、今日こそはと狙っています」との事。「頑張ってください」と・・・人事ではない、私も今日こそはと・・・。

そして、乗せてもらったのが浅茅湾出口近辺の除崎あたりの磯。スゲー、もうちょいで外海だぜ!青物仕掛けで泳がせ釣でもしたくなる様なポイントだ。しかし、引きずり込まれて50kmも行けば、朝鮮半島だよナ〜。(奥:???潜水艦か何か・・・?)やっぱ黒鯛に専念しょう。
しかし、だんだん風も強くなり昼で磯替え。この日何と2回の磯替え。親切な師井船長ならではのはからい。しかし、こう言う時は釣れない。
後日、赤地さんが写真をメールで送ってくれた。(右の写真)




3日目 4月9日(木)最終日

釣研丸の宿で知り合った韓国の朴さん夫妻は、何と対馬への釣行が年間90日と言う。4日に1日は、この対馬に来ている事になる。スゲー!うらやましい。
その朴さんに、韓国から持って来たと言う白エビのムキ身を、一袋いただいた。片言の日本語で「エサトリノオオイトキニイイヨ!オオキイノツレルヨ!」とさすが釣人!外国の人とでも、年齢差も、金持ちも、貧乏人も、社長も何も関係なし、釣人と言う仲間の中ですぐに親しくなれる。他にはあまりないかな〜、嬉しくなる。

さあて、もう最終日。待てよ、店に残して来たメンバーに「黒鯛1枚ずつお土産待ってろヨ!!」と言って来たんだ。と言う事は今日1日で10枚釣らなくては・・・プレッシャー。
今日の磯は、浅茅湾ほぼ中央の口サキ鼻近くの「ジョウゴ」と言うポイント。師井船長「ここは、絶対おるからね。3日前に1人で大型5〜6枚上がっとるケン」そう言われると釣師としては、ここで上げないわけにはいかない。
早速丁寧にポイントを決める。3ヶ所位有るがしかし、足元から沖に3m位藻が生えている。いやだな〜藻に絡まって取れるかナ〜?。いやいや迷いは禁物。今日は磯替えしないで、ここで丁寧な釣をするぞと決める。
数投して見ると、ベラ、小メジナと昨日のポイントよりは、魚の活性がいい。気体が・・期待が膨らむ。そうこうしていると、11:30頃昼の弁当が来た。まだ当りがない。お土産の数は無理だ・・一夜干のスルメで勘弁してもらおうか。色々と手を変えてみる。浅いし、潮もとろい。丹羽ウキと鵜澤ウキの2代名人のウキを使用し、2段ウキ釣法で潮乗りを良くして見た。午後2時を少し回った頃、師井船長が見回りに来た。「どうする?ここで頑張る、替える?」と聞いてくる。迷ったが、朝の船長の言葉「ここは絶対いるケン」が脳裏を・・・ここで頑張ると信号を送る。そして間も無くいい当たり。やつぱ居るじゃん。大型黒鯛特有の重い首振り、間違いない。50オーバーのチヌだ!しかしまずい、左に沖の藻がある。まずい!すかさず右に走り、磯を飛び降りて下の根に乗り竿をためるが・・・沖の藻を回り込んで根に張り付かれた。冷や汗タラリ!。こいつは取れないかな・・・メジナと違うからしっかりとは張り付かんだろう。何とか根から出そうとするが、5分後ハリスがブレーク。中間パーマかかって、間違いなく 根ズレでブレークだ。今回2回目のショック!もう後4時間しかない。落ち込んでいる間はない。仕掛けを新調して、打ち返す。下浮きの鵜澤ウキ2Bグリーンが、特攻隊の様にゆっくりと先に沈んでいく。そして、仕掛けが落ち着いた頃当りが。あわせると、50位のチヌの当り。「今度は慎重に、3回ばらしたらバカだぞ」と思い、沖に走ったなら、ラインを出して慎重に根をかわすか・・などと思い、魚の強引な引きに合わせ、沖に魚を出す様にラインを出した。いい方向へ走ったので、寄せに入ろうと竿を立てたが・・・無い、無い、チヌがいない。。オレの大切な3度目のチヌがいない。スッポ抜けだ。うっそー・・・黒鯛釣20年以上だけどこんな事は初めてだ。プライドも何もかもズタズタ。後2時間あまり、1枚だけでいいから頼む喰ってくれ。
納竿近く17:15来た「こんどこそ、逃がさへんで〜」今までのバラシに比べたらあまり強くないかな〜と、思いつつ精神状態少々弱気。だけど50cmは有るだろうと感じ、慎重によせる。よしよしいい子だ。こっち、こっちへおいで・・・5〜6分のやり取りだろうか、藻の近くで浮いた。デカイ!藻に絡むなよと寄せるが、藻が幸い味方についた。藻の上に巨チヌが乗り藻がベット状態にヤリー!これなら取れる。タマを出すが、45のタマよりはるかに大きく入りにくい。何とかタマに入れるが、今度は重くてタマが上がらない。竿を股に挟み、両手でタマを引き上げる。デカイ!!自分の息づかいの荒いのが良く分かる。自分の満足度120%も良く分かる。ヤリー!やったぞ!!対馬ありがとう。巨チヌありがとう。全てに感謝、感謝。スカリに入れ、ずーと眺める。待てよ、そうそういつもの1人でポーズをしよう。三脚立てて「はいポーズ」
18:30師井船長が迎えに。大喜びで飛びつき握手・・・船長のおかげだよ。朝の一言「ここ絶対おるけん」人を信じると言う事は大切な事です。
                                       
釣研丸で検量 ●56.5cm ●3500g 尚、この魚拓が「ちぬ倶楽部」秋号に載ります。

☆蛇足
釣研丸の社長「中村 鐵彦」氏は、この4月8日にNHKのTV取材の為に、的場コウジと沖のエラブ島へオオカミ(巨縞鯵)釣りに出かけました。もうそろそろ放映だと思います。数年前は、ニュージーランドのヒラマサ釣りで好評でしたが、今回も楽しみです。